アメリカでは日本に比べて、有機農産物やオーガニック商品の流通が盛んです。国内での売上が2017年には年間470億ドル(約5兆円)にのぼるなど、オーガニック市場はますます勢いを見せています。ロックリンの傾向、食品のラベル表示などについて見てみましょう。
気軽にオーガニックを入手
ロックリンではSafewayやWalmartなど、一般的な大手スーパーマーケットにもオーガニックのコーナーが設けられています。価格はコンベンショナルと呼ばれる一般栽培の商品よりも高いですが、店舗または旬の時期によっては値段に大きな差がない場合もあります。健康志向のSPROUTSは特に、有機の野菜や果物が比較的安く売られています。週変わりのセールでは、コンベンショナルより安いことすらあります。
オーガニック店の代名詞ともいえるWhole Foods Marketは、質や雰囲気は良いものの価格が高いのがネックでした。ただ、高級スーパーの位置づけだったホールフーズも、2017年にアマゾンに買収されて以来、主要商品などの値下げを進めています。
大容量・低価格を売りにした会員制の大型倉庫店Costcoでも、オーガニック販売に力を入れ始め、2016年にはホールフーズを抜いてオーガニック関連商品の売上トップに躍り出ました。ホールフーズと併せて今後の動向に注目したいところです。
食の安全を示すラベル表示
アメリカ農務省(USDA)の認定マークは、オーガニックの原料が95%以上の食品にのみ付けられます。「Made with Organic ingredients」とあるのは、最低70%がオーガニック原料という意味で完全な有機食品ではありません。単にOrganicとだけ付された商品は、USDAの基準を満たしていない可能性もあります。
鶏卵や鶏肉によく使われる表記には、OrganicのほかFree RangeやCage Freeがあります。どちらも動物が餌と水を無制限に与えられ、Free Range(放し飼い)は「屋外への出入りが自由な環境で飼育されたこと」、Cage Free(平飼い)は「自由に歩き回るスペースがある環境で飼育されたこと」が条件となります。その他、遺伝子組み換え作物ではないことを示す「Non GMO」、牛に遺伝子組み換え成長ホルモンを投与していないことを示す「rBGH/rBST Free」「No Hormones」、動物が草や飼葉を餌として育ったことを示す「Grass Fed」などがあり、意味を知っておくと商品選びの目安になると思います。
ロックリンで売られる生鮮食品の多くには小さなシールが貼られており、PLUコード(商品価格識別番号)が記載されています。4桁で3か4で始まるコードは一般農法、5桁で8から始まれば遺伝子組み換え、9であれば有機栽培と、番号で見分けることができます。
オーガニックに賛否の声?
こうした特別な表記が必要なのは、消費者の生態系保護や動物愛護への関心と相まって、化学的な物質の体への影響など、食の安全性について懸念を抱く人が増えたからだと思います。
調味料や加工食品、化粧品や日用品などでもオーガニック商品がずいぶん増えました。いわばトレンドのようですが、認定の方法や表示規定などに対し批判の声も上がっているようです。例えば、有機栽培の作物であっても、隣の畑が従来栽培であればその農薬が風で付着しないとも言い切れません。また、農産物以外のオーガニック商品の規定は比較的緩いといわれ、オーガニックと表記して高い値段で売ろうとする生産者もいるそうです。消費者としては真意が見極めにくい問題です。
子供をもつ家庭は、環境や食の安全により関心が高いといいます。生態系と健康を支えるオーガニックの動きは、若い家族の多いロックリンでも衰えないと予測しています。