アメリカ西海岸カリフォルニア州の中心より、やや北部にロックリン(Rocklin)はあります。1860年代の鉄道建設と花こう岩の採掘から始まった街です。州都サクラメントから車で30分、サンフランシスコから2時間という好立地の郊外として住宅や商業施設が発展しました。今回は、低い犯罪率など暮らしやすさへの評価が高く「若い家族に最適な市」ランキングで上位にも入ったロックリンの特長について紹介します。
温暖で恵まれた気候のロックリン
ロックリンは1年のほとんどが快晴で暖かい気候です。盆地のため真夏は暑い日が続き、気温40度を超える日もありますが、湿気が少なくなく汗をあまりかかないので日本の蒸し暑い夏に比べれば快適とすら感じます。日差しが強いので、ほぼ1年中サングラスは欠かせません。ただ、日本のように「夏でも長袖を羽織る」「つばの広い帽子をかぶる」「日傘をさす」というような習慣はありません。長く住むとつい日焼け対策がおろそかになり肌の乾燥やダメージが進みがちな気がします。
冬は日中10度を下回る日は少なく、朝夕に氷点下になることもないので寒さは厳しくないほうです。基本的に冬は雨期ですが、ほとんど雨が降らず水不足が深刻だった年もあります。降ったとしても短期間なうえ、車社会なので長靴とレインコートで雨の中を歩く機会はないに等しいです。アメリカ人は、よほどの大雨でもない限り傘をさしません。パーカーのフードをかぶり、急ぎ足になるでもなく平然と歩くのを見て日本との文化の違いを感じたものです。
春と秋がもっとも過ごしやすい季節でしょう。ただ、周囲に自然が多いため、花粉などのアレルギーに悩む人が大勢いる印象です。ちなみに、花粉症や風邪だからといってマスクを着用する人はいません。むしろ、マスクをしていると不審に思われます。
最大の魅力は学校教育のレベル
ロックリンが人気を集めている理由の1つは「学校の質の高さ」です。アメリカでは引っ越しする際、学校区(School District)のレベルを重視して家を決める傾向があります。学校の評価がコミュニティの治安や住民の質に関連しているためです。評価については、生徒のテスト結果や学校の体制などのデータをもとに非営利団体や民間企業がスコアを公表しています。一概にはいえませんが、やはりスコアが低い学校の近辺には低所得層やモラルの低い家庭が集中していることが多くなりがちです。子どもは学校や近所の友達から大きな影響を受けるため気になるところですよね。学校の評価は不動産にも影響します。学力の高い学校区の住居は価値が高く下がりにくいといわれ、のちに「家を売る」、または「人に貸す」際に有利になります。そのため、家探しに使われる不動産サイトには、売買・賃貸情報の1つとして指定学校名とスコアが数字で表示されています。
幸いロックリンは学区内の公立学校の多くはスコアが高く、そのためにわざわざここに引っ越して来る家族が増えているほどです。
日本人同士の交流あり!出会うきっかけは?
ロックリンは小さな市なので車で3~10分程度走るとすぐ隣の市に入ります。ロックリン在住の日本人は現時点で10人以上、近隣の市を含めれば40~50人、サクラメントエリアも入れるともっといると思います。境遇は、「国際結婚による永住組」「日系企業の海外転勤で赴任してきた駐在員家族」「コミュニティカレッジに通う日本人留学生」などさまざまです。陸軍基地が近いため、旦那さんが軍人(または元軍人)という日本人女性もいます。平均すると30~40代、結婚して子どもがいる母親が多いと思います。ロックリンとその近辺に住む日本人の母親たちが集まって子どもを遊ばせるプレイグループもあり心強いです。
それでも、ロックリンに引っ越してから2年間だれにも日本人に会わなかったという友人もいます。知り合うきっかけはおそらく、日本人が行きそうな日系マーケット、ナチュラル系店舗トレーダージョーズ(Trader Joe’s)やホールフーズマーケット(Whole Foods Market)などに足を運ぶことでしょうか。日系の店舗に置かれている日本語のフリーペーパーにもヒントがあるかもしれません。だれか1人と知り合うと、たいていその後は紹介が重なり友達が増えていくと思います。