ジュラの気候と風土が育てた街!サラン・レ・バン(Salins les Bains)

サラン・レ・バンのあるジュラ県の「ジュラ」は、ラテン語の「森」、「原生林」が語源といわれています。その名の通り、サラン・レ・バンは山間の谷間に拓かれた自然豊かな環境の街です。また、製塩業や温泉地としての歴史もあり、年間を通して観光客の訪れる見所あふれる街でもあります。ここでは、これらを育んできた風土、気候とサラン・レ・バンの観光地としての側面について紹介します。

フランスの秘境!ジュラの気候と風土

ブルゴーニュ・フランシュ・コンテのジュラ山脈の入り口で標高350メートルに位置するサラン・レ・バンは、フランスの中でも比較的涼しい気候の街です。5月の中旬まで霜が降りたり、10月に氷点下になったりすることも珍しくないため、年間7〜8カ月ほどは暖房が必要です。しかし、雪は少なく、ひと冬の積雪は数回程度。それでも冬は雨が多く、夜間に道路が凍結することも多いためスタッドレスタイヤが必需品です。夏は30度を超える日もありますが、街の西側に山があり日没が早いため夜は涼しく快適です。年間を通し雨が多く湿度が高いため、街中の石垣や街を囲む山々の遊歩道は苔むして、もののけの森を彷彿とさせる幻想的な雰囲気をかもしだしています。春先には街のはずれを流れる小川のほとりに大量に山菜の行者ニンニクが、近隣の森にはワラビが生い茂るので山菜好きにはたまらない環境ですが、時期によってはマダニが発生するので、散歩のあとのチェックを忘れないようにしましょう。

温泉とカジノの街!サラン・レ・バン

サラン・レ・バンは、日本人にとっては馴染み深い温泉地のひとつです。2017年にリニューアルオープンされた温泉は、小規模のスパのような施設。サラン・レ・バンの住民は通常大人ひとり12ユーロの入場料が6.5ユーロに割引されます。入浴の際は水着とスイムキャップの着用が必須で、浴槽は深いところで2.5メートル、水温は37度とまさに温水プールと言ったところです。マッサージなどもありますが、日本の「入浴」のイメージとは少し違うかもしれません。また、サラン・レ・バンの温泉は28〜33%と、塩分が濃いことで有名な死海の水よりも塩分濃度が濃いという特徴があります。切傷、擦り傷があるときにはかなり痛むのでご注意ください。そして、フランスでは温泉地にカジノが併設されていることが多く、サラン・レ・バンにも街の中心にカジノがあります。さすがに日常的に訪れる場所ではありませんが、日本から家族や友達が遊びにきてくれたときなどに案内するには面白い場所かもしれません。

歴史的遺産!サラン・レ・バンの大製塩所

サラン・レ・バンの製塩業は、1962年に国内のインフラの整備に伴い廃業してしまいましたが、当時の製塩所は市有財産の博物館として残されています。博物館には塩を精製するための蒸留釜や塩の貯蔵室などが展示されているほか、今でもここから湧き出る地下水には1リットルあたり330グラムと海水の4倍以上もの塩が含まれていて博物館を訪れると味見をさせてくれます。2009年にはユネスコの世界遺産の一部として登録され、年間約7万人の観光客が訪れる製塩所は、田舎町であるサラン・レ・バンの重要な集客施設の1つです。街の東西にある山の頂には、中世に製塩業が盛んだった頃に街を守る目的で建てられた要塞が残っていますが、残念ながら私有地となっており無断で立ち入ることはできません。西側にある要塞はホテルを営んでおり、宿泊や結婚式などの目的で利用されています。結婚式では花火を上げることもあり、街中からも眺めることができます。

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