塩と温泉の街サラン・レ・バン(Salins les Bains)

「サラン」は製塩所を、「バン」は温泉を意味しており、中世には塩分を含む湧水から精製される塩と温泉の街として栄えました。当時、海から離れたこの土地では塩が大変貴重だったため、S字型の谷底に拓かれた街は東西にある山の頂に造られた要塞によって守られていました。製塩業はすでに廃業しましたが、製塩所は博物館として残されています。そんな歴史ある街での生活について、立地や交通、住居などについて紹介します。

フランス人も知らない!?そんな片田舎のサラン・レ・バン

サラン・レ・バンはフランスの東部、ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方、スイスとの国境を有するジュラ県にある人口約2800人の街です。製塩業が盛んだった頃はこの辺りでも大きな街の1つでしたが、現在は塩分を含む温泉が名所の田舎の観光地といったところです。公共交通機関はバスのみで、電車を利用するには車かバスで10分ほどのムシャールという街まで行かなければなりません。ムシャールの駅からは最短2時間20分でパリまで行くことができ、稀にパリまで通勤する人もいます。しかし、実際には公共機関だけを頼るとかなり行動範囲が狭まるため、ほとんどの人が車を所有しています。フランスでは、学生とワーキングホリデーで渡仏している人以外は、入国後1年以内であれば県庁や支庁で日本の免許証をフランスの免許証に交換してもらうことができるため、日本の免許証を持ってきて車を購入することをおすすめします。

日本人は居るの?英語は通じる?

フランスは人口の約11%が外国人ですが、サラン・レ・バンは都市部に比べて外国人が少ない印象です。フランス国立統計経済研究所(L’Institut National de la Statistique et des Études Économiques )によると、ジュラ県の外国人の割合は中程度ということですが、パリや近隣の大きな街などと比べると有色人種がとても少ないです。実際、サラン・レ・バンで生活するなかで、アラブ・アフリカ系の人はときどき見かけますが、アジア系の人は数人しか見かけたことがなく、街で偶然日本人に会ったこともありません。日本人が居なくても平気という人には問題ないですが、日本のコミュニティに参加したい場合には、大きな街に出ていくしかないでしょう。日常的に使用する言語はフランス語で英語を話せる人が少ないため、地元の人たちと交流をもちたいならフランス語の習得は必須です。

内見必須!外観からはわかりにくいサラン・レ・バンの住居

サラン・レ・バンには新興住宅地がないため、築年数の長い物件が大半です。街では人口減少が続いており、空き家も多いため家賃は割安です。フランスの大手住宅情報サイトSeLogerによると、1平方メートル当たりの家賃の平均は約5.86ユーロで、パリの中心街の5分の1程度です。街の中心部にはアパートや連棟建てのテラスハウスが多く見られます。連棟建の場合には道路と反対側に予想外に大きな庭がある場合もあるので要チェックです。せっかくの田舎町なので連棟建てではなく一軒家に住みたいという人は、街の中心部から少し離れることで見つけやすくなります。外観は古くても、内装はリフォームされている場合もあるので、家を選ぶ際は必ず内見させてもらいましょう。家具付きの賃貸物件も多く、家具や台所の調理器具、食器洗浄機などが備え付けられている場合があるので、よく確認してから必要なものを購入するのをおすすめします。

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