フランス語は日本人にとってはあまり馴染みのない言語のひとつですが、サラン・レ・バンに住むことになったら、ぜひ早めに話せるようになってください。というのも、サラン・レ・バンは小さな街のため日本人のコミュニティがありません。英語が話せる人も少ないため、全くフランス語が話せないとサラン・レ・バンのような田舎町のコミュニティに入り込むのはなかなか難しいものです。
ここが分かれ道!フランス語のレベルA1とは?
多くの外国人はフランスに入国後3カ月以内に移民局に召喚され、CIR(Contrat d’intégration républicaine=受入・統合契約)にサインをすることになります。CIRとは、入国者本人とフランス共和国との間で交わされる契約書で、相互に協力し合ってより良い社会をつくろうという内容のものです。その際、フランス語のレベルを確認するための試験が行われます。なぜなら、CIRにサインした人でフランス語が欧州共通基準(CECRL)のA1に満たない人は語学研修を受ける義務があるからです。また、その時点でA1以上のレベルがある人は語学研修が免除されます。A1のレベルとは、フランス語でごく簡単な会話のやり取りができたり、ホテルの宿帳などに個人データを書くことができたりするレベルです。仮にEU加盟国の配偶者をもつ人など、CIRにサインをする必要がない人でもフランスに長期滞在する人は語学研修への参加を受け入れてもらえる場合もあるため、移民局に問い合わせてみましょう。
フランス語の短期集中コースが無料で受けられる!?
フランス語のレベルがA1に満たなかった人は、後日移民局が指定した語学学校でフランス語の研修を受けることになります。その費用は国が負担するため、つまり、研修を受ける人にとっては無料です。語学研修は200時間、100時間または50時間の短期集中コースなので、数週間に渡りみっちりとフランス語の基礎を学ぶことができます。その間は仕事をしている人も休みをとって参加しなければならず、その間の収入の補償はありません。そのため、経済的な理由でフランスに来ている外国人にとってはお金を払っているのと同じことになり、必ずしも語学学校に行けることを喜んでいる人ばかりではありません。語学研修が終わると試験が行われ、A1レベルに達すれば語学研修を終えることができます。しかし、希望によっては次のレベルを目指して決められた時間数に達するまで語学研修を続けることもできるため、CIRの契約による語学研修の義務はフランス語を学びたいと思っている人には大きなチャンスといえるでしょう。
フランス語の研修が免除されたら
フランス語の研修が免除された人は、フランスで生活していくうえで、ある一定の語学レベルがあるということになります。しかし、もっと勉強したい場合には残念ながら自費で学校や先生を探してフランス語を勉強する必要があります。サラン・レ・バンには語学学校がないので、フランス語を勉強したい人はサラン・レ・バンから40kmほどのところにあるブザンソン(Besançon)という街にあるCLA(Centre de linguistique appliquée)という語学学校まで通わなければなりません。CLAにはA1の1つ上のレベルであるA2、さらにもう1つ上のレベルであるB2を受験する人を対象としたコースがあり、毎週15時間を14~15週間、合計200時間を1,420ユーロで受講することができます(2017年現在)。ほかにも、個人的に先生を雇って授業を受けることもできますが、相場は1時間20~25ユーロ程度です。このように、個人できちんとフランス語を習うにはある程度お金がかかるので、移民局でおこなっている語学研修の対象になるのは実はかなりお得です。あとは実践あるのみ。どんどん外に出ていろいろな人と話してみましょう。