サラン・レ・バンに引っ越したら仕事をしてみたいと思っている人はいるでしょうか。仕事をするにあたって気になるのが、サラン・レ・バンの住人の収入事情やフランスの所得税制度です。ぜひ、情報収集をしっかりやって、就職活動の対策を練ってみてください。
サラン・レ・バンの平均給与はどのくらい?
フランスのインターネットサイト「SalaireMoyen.com」がフランス国立統計経済研究所による国勢調査の結果をまとめたところ、2014年のサラン・レ・バンに住んでいる人の手取り平均給与は月当たり1463ユーロです。同年のフランス全体の平均給与が1694ユーロなのからみると、サラン・レ・バンの給与はそれほど高いとはいえないでしょう。ただ、物価や家賃などは低めなので生活の質自体は悪くありません。しかし、リクルートサイトなどでサラン・レ・バンの就職先を検索すると、社員を募集している会社はサラン・レ・バンの街中ではなく、車で40~50分ほどかかるブザンソン(Besançon)やドール(Dole)といった近隣都市にある会社がほとんどです。そういった意味ではサラン・レ・バンの街中に就職先を見つけるのは難しく、就職するには車を使った移動が必要になる可能性が高いでしょう。
フランスの所得税はどんな仕組み?
フランスの所得税は日本と同様、所得が多くなればなるほど税率も高くなる累進課税です。しかし、フランスでは低所得者の税率が高いことと、税金が個人ではなく世帯の収入に対して課せられるのが特徴的です。1ユーロ=130円として換算すると、フランスではおよそ126万円以下の収入では非課税となります。そして、およそ126万円超から349万円以下の場合には14%も課税されます。対する日本では、所得税の税率は195万円以下で5%、195万円超から330万円までは10%です。それ以降、約900万円まではフランスの税率の方が高い傾向がありますが、900万円を超える収入では日本とあまり変わらない税率です。フランスではさらに、およそ3250万円を超える収入のある人に対して特別課税が課せられます。為替の変動などの影響や所得控除の制度も違うのではっきりとは言い切れませんが、所得税に関しては日本よりフランスの方が高い可能性が多いと思っていいでしょう。
源泉徴収が始まる?
フランスでは2018年現在源泉徴収が行われておらず、税金の時期になると個人でインターネットを使った税金の申請を行っています。オランド前政権は2018年度からの源泉徴収制度の導入を進めていました。ところが、2017年に発足したマクロン政権では源泉徴収制度を公約していたものの、導入は延期して2019年からとの意向を表明しています。反対する人も多い源泉徴収制度ですが、これにはフランスの所得税の特徴である、税金が個人ではなく世帯収入に対して課されることが深く関わっています。なぜなら、企業が社員の税金を管理するためには、配偶者の所得や相続、離婚時の財産の分配といった個人的な情報をすべて把握しなくてはならないからです。そのため、情報を提供しなければいけない個人だけでなく、それを管理しなければならなくなる企業側からも反対の声があがっています。今後どうなるかははっきりとはわかりませんが、2019年からはフランスでも源泉徴収が始まるかもしれません。