日本では、買った商品を自己都合やレシートなしで返品するのはなかなか難しいでしょう。それに比べて、アメリカは不良品だけではなく、使って満足できなかったり、間違って買ってしまったりしたものなど自己都合の理由でも返品ができます。さらには、もらったギフトさえも返品・交換できるというフレキシブルな制度があります。
いとも簡単に返品・交換!?
返品期限や方法といったReturn Policy (返品規約)は、各店舗によって異なるのでレシートや店舗のウェブサイトで確認しましょう。店舗で返品する場合は、期限内にレシートと商品を持って「Customer Service」のカウンターへ行きます。返品の理由は深く追及されません。商品の状態をよく確認しないことすらあります。交換は、売り場に在庫があればすぐ取り換えられる場合と、先に返品が必要な場合とがあります。
オンラインで買った商品は、ネット上で手続きした後に指定先へ返送します。送料は、返品理由や商品価格などにもよりますが、店舗が負担する場合が多いです。特に大型店は、「レシートの提示不要、どんな理由でも返品可、返送料の負担なし」などという寛大なポリシーを掲げています。WalmartやTargetなどは、オンラインで買った商品をロックリンの店舗で直接返品することもできて便利です。
この消費者の満足度を重視した返品制度は、もとから店舗の損失を加味した価格設定だから可能なのだとも言われますが、買う側にとってはやはり都合が良いでしょう。ただ一方で、それを悪用する確信犯もいるようです。一度だけパーティーで着たドレスを返品したり、旅行前にカメラを買い、旅先で使った後に返品したりと、モラルの問題は世界中どこでもあるようです。
返品したくなる理由もある?
実際ロックリンに長く暮らしてみると、買った商品に欠陥がある割合が高いことに驚きます。同じカーテン2つを買って吊るしたら長さが違っていたり、セットの部品が1つ足りなかったり、器にひびが入っていたりするなど数えればキリがありません。オンラインで買った場合も、梱包が粗末なうえ、配達人が荷物を放り投げたり、乱雑に扱っていたりするのを外で見かけるので、商品が破損するのもうなずけます。そうなると、返品・交換しない方が損に思えてきます。
ちなみに、宅配時に家主が不在の時は、高額または大型商品でなければ通常、配達人は玄関先に荷物を放置して去って行きます。商品が配送中に紛失する、または玄関口で盗難にあって届かないことも珍しくありません。
日本では、たいていの消費者は初めから返品を念頭に置いて買いませんし、欲しい物をよく吟味してある程度の責任を持って買い物しますよね。そもそも品質管理がしっかりしているので、アメリカほど頻繁に不良品や紛失のトラブルが起きないように思います。この購買意識の違いは、やはり国の文化、国民性にあるのかもしれません。
もらったギフトまで!?
アメリカでは、人に贈るプレゼントに「Gift Receipt(ギフトレシート)」を添える習慣があります。送り手がプレゼントを買う時、レジで頼むと発行してもらえる追加のレシートのことです。このギフトレシートを店舗に持参すれば、プレゼントをもらった相手が商品を交換・返品できるのです。レシートに金額そのものは表示されていませんが、相手がいざ手続きする際に、値段はおのずと知られてしまいます。
相手の嗜好や気持ちを思いやって贈り物を選び、値段をペンで消し、丁寧に包装して人に物を贈る日本では考えられないシステムかもしれません。その反面、「相手にとって不要、もしくは気に入らない物であれば本人が好きな物に取り替えて欲しい」という送り手の親切心だと思えば、逆に合理的であるともいえます。特に、ベビーシャワー(妊婦のための産前パーティー)や誕生会など、一度に多くのゲストからプレゼントをもらう時は、中身が偶然同じということもあるので受け手には好都合でしょう。サンクスギビングやクリスマスも含め、贈り物が習慣でもあるアメリカ・ロックリンでは欠かせないシステムのようです。